青少年育成県民会議 事業案内

第31回少年の主張 福島県大会 優良賞


ランドセルは海を越えて


小野町立小野中学校 遠藤 敦美


私は先日、小学校で六年間使ったランドセルを送りました。送り先は、アフガニスタンです。アフガニスタンと聞くとどんな国のイメージが思い浮かぶでしょうか。到底日本のような豊かなイメージとは結びつきません。実際問題、アフガニスタンでは二十年以上に渡る侵略や内戦、そして四年に渡る干ばつによって大変なダメージを受けています。現在でも全ての生活物資が不足しているばかりか住居や水といった生きることに必要な最低限の条件も満たされていないという状況です。さらに、アフガニスタンは栄養不良の子どもが五十パーセントという社会です。多くの子どもたちが「はしか」にかかり、命を失っていくのです。一見すると元気の良い普通の子どもたちですが、実際の年齢よりも幼くしか見えません。子どもの四人に一人が五歳の誕生日を迎えることができずに亡くなっています。こんなアフガニスタンで教育を受ける場所などありません。しかし、青空教室で一生懸命勉強している子どもたちもいます。

私はこの事実を知り、かなりショックをうけました。そして、それと同時に自分にできることはないのかと考えました。そんな時、私の母がアフガニスタンにランドセルを贈るという企画があることを教えてくれました。その内容は、青空教室へ通って教育を受けている子どもたちに日本で使われたランドセルを寄贈しようというものです。アフガニスタンでは教科書やノートを布に包んで片道十キロ以上離れた教室へ行くので布では大変不便なようです。そんなふうに勉強に対して一生懸命なアフガニスタンの子どもたちに少しでも役に立てたらいいなと私は思い、ランドセルを贈ることを決めました。六年間使った思い出深いランドセルを手放すことは惜しい気持ちもありますがアフガニスタンで喜んでくれることを願いたいと思います。

私はこのランドセルを贈るという海外支援を通して、改めてアフガニスタンの現状の悲惨さを知ると共に日本がどれだけ恵まれた国なのかということが分かりました。当たり前にごはんを食べ、学校に通い、教育を受けることができる。それがどれだけ幸せなことか身にしみて感じました。アフガニスタンには、まだ内戦などで残った地雷がたくさん埋められています。今考えると普通の安全な地面を歩けることさえもうれしく思いました。しかし、このアフガニスタンの状況の中で一人一人の人権は守られているのでしょうか。きっと守られていないはずです。同じ一人の人間なのにも関わらず、人として最低限の生活をすることもできず、五歳を迎える前に死んでいくなんてあまりにも世界は不公平です。では、なぜアフガニスタンはこのような国になってしまったのでしょう。その理由はたくさんあると思いますが、大きく関わっているのは宗教や部族間の対立だと私は思います。たくさんの宗教や民族があることは決して悪いことではないはずです。お互いが違う文化や違う考えを持っているということを理解し合っていけばよいことなのに、いい大人が国内で戦うというのは大きな間違いです。その戦いで犠牲になっているのは兵士だけではありません。一番の犠牲者は子どもたちです。その国の未来を担う子どもたちなのです。そんな子どもたちの人権をもっと考えてほしいと思います。

日本でもこのアフガニスタンの現状を知っている人はまだまだ少ないと思います。ぜひ現状を知ることから始めてみてほしいです。他人事だと目を背けずに。私もこれからはもっと積極的にボランティアや海外支援に参加していきたいと思います。一人一人の協力が世界を変えていくことをみなさんも体験し、実感して下さい。