青少年育成県民会議 事業案内

第31回少年の主張 福島県大会 優良賞


「ずっと友達だよ。」


猪苗代町立東中学校 三年 加藤 美希


去年の十二月。私達のクラスから、一人の女の子がオーストラリアに転校していきました。彼女の名前は三瓶ジェイン。みんなから「ジェンボ」と呼ばれていました。ジェンボとの出会いは小学校六年生の時。彼女はとても頼りになるリーダー的な存在でした。

ジェンボから転校の話を聞いた時、信じられませんでした。私はジェンボをとても頼りにしていたからです。いつも一緒の彼女がいなくなるなんてー。それからのジェンボと一緒に過ごせる時間はとても貴重でした。総合的な学習の時間、同じ班になったジェンボと私は、たくさん語り合いました。時にはこっそり遊んだり、くだらない話で笑い合ったりもしました。また、文化祭での校内合唱コンクールでは、うまくまとまらず、ばらばらになりそうなときもありましたが、「ジェンボと一緒にできる文化祭はこれで最後なんだ。」みんなでそう思うことで頑張ることができました。合唱コンクールでは見事に最優秀賞。ジェンボの嬉しそうな笑顔を、私は今でもはっきりと覚えています。

ジェンボの転校の話を聞いてから、私は改めて考え直したことがありました。それは、「今」は一度しかない、ということです。一度しかない今を大切に生きるために、ジェンボは遠くオーストラリアへの転校という道を選びました。その頃の私は「早く卒業して高校生になりたい」そんなことばかり考えていましたが、「もっとこのクラスで過ごしたい、今を大切にしたい」と思うようになりました。クラスの雰囲気も変わってきました。「ジェンボのために」そう考えることは、みんな自分のためにもなっていることに気づいたのです。何事にも一生懸命なジェンボ。はっきりと自分の意志を言えるジェンボ。私はたくさんのことをジェンボから教えられました。

しかし三年生になった今、私達は担任の先生にこう叱られてしまいました。
「ジェンボだって自分で自分の道を決めてオーストラリアに行ったのに、お前達はこのままでいいのか。」
はっとしました。いつの間にか、今を大切にする自分をなくしていたのです。
「そうだ。ジェンボはきっと頑張っている。自分はこんなことでいいのか。」
ありがとう、ジェンボ。私はまたあなたのおかげで自分の道を見つけることができたよ

私は今、保育士になりたいという夢があります。くじけそうになってもジェンボのことを考えると、「負けていられない、自分が変わらなきゃ。」と思える自分がここにいます。

一度しかない今を大切に生きる。私達には誰もが今を精一杯生き抜く力が、そして自分を変える力があります。私がジェンボに出会えて変われたように、きっかけさえあれば新しい自分になれるはずです。今、様々な少年犯罪が毎日のように報道されていますが、彼らは自分を変えられるきっかけや出会いに気づいていない、そして頑張ることのできる自分を信じていないのではないでしょうか。私は彼らに言いたいのです。迷い、苦しんでいる彼らに。人はいつでも変われる、新しい自分になれるチャンスは、いつでもすぐそばにあるのだと。ちょっと周りを見てほしい。絶対あなたを見ている人がいる。自分の力を信じて、一歩踏み出してみようよ。私がジェンボに出会って変われたように。

いつか私も、誰かのジェンボになりたい。そして、「ずっとずっと友達だよ」と言ってくれたジェンボに、「自慢の友達」と言ってもらえる自分になりたい。その日のために、私は今日も、今を大切に生きています。