青少年育成県民会議 事業案内

第31回少年の主張 福島県大会 優秀賞


お年寄りとの交流を大切に


田村市立船引中学校三年 村越 俊貴


日本は現在、全人口の約五分の一がお年寄りという「高齢社会」になっています。しかし、その一方で、そのお年寄りに対する思いやりや心遣いなどが乏しくなってきているのではないかと僕は思います。

例えば、僕達が今年の四月に、東京へ修学旅行へ行ったときのことです。目的地へ行くために電車に乗ったときに、途中の駅でいくつもの荷物を持ったお婆さんが乗り込んできました。しかし、周りの人々は、「我関せず」といった感じで、遠くを見つめている人や、携帯電話を操作している人、眠っている人など皆それぞれで、誰一人、席を譲ろうとはしませんでした。この状況を目にして、僕は、お年寄りに対する思いやりのなさや、自分の世界に浸り、他と距離を置こうとしているかに見えるその様子がなんだか、非常に残念でなりませんでした。

なぜこのような場面で知らん顔ができるのでしょうか。なぜ、ちょっとした心遣いや思いやりの態度を示すことができないのでしょうか。

僕は、その原因の一つとして、お年寄りと交流する機会が少ないことがあげられると思います。触れ合う機会が少ないため、どう接してよいかわからず、身構えてしまったり、お年寄りの優しさや深い思いやりなどの良い点を見落したりしているのではないかと思います。

昨年、僕はデイサービスセンターでのボランティア活動に参加しました。最初に、部屋の窓ふきを行いましたが、一枚、一枚丁寧に窓をふく作業は、案外大変で、かなり疲れました。しかし、あるお年寄りがしみじみと「きれいになったなあ」と言うのを聞いたとき、僕の疲れは一瞬のうちに吹き飛び、僕たちのがんばりを認め、褒めてくれるその優しさに僕は心豊かな気持ちになりました。

次に行ったのは、しめ縄作りです。初めての作業だったのでなかなか上手くいかず、僕が戸惑っていると、隣にいたお爺さんが、「 手のひらさのせて。こうねじっていくんだよ」と言ってしめ縄の作り方を優しく教えてくれました。そして、手際よく、どんどんしめ縄を作っていくその姿に、僕は、お爺さんの持っている技術はすごいなと感心しました。また、他の方たちが、昔の生活や自分たちが若いころの話など、いろいろな話を楽しそうに僕たちに話してくれました。僕は、この交流を通して、お年寄りの方々が持っているさまざまな技術や知識、生活の知恵などを我々若い世代はもっともっと大事にすべきだと痛切に感じました。

確かに、高齢者は若者のように体を素早く動かしたり、多くの物事を覚えたりすることは苦手です。しかし、若者にはない「良さ」がたくさんあります。デイサービスセンターで見た、生活に根ざした技は、僕たちがすぐにまねすることはできません。さまざまな生活の知恵や技術、多くの経験、思いやりにあふれる態度など、若い世代がお年寄りから学び、継承していかなければならないことはたくさんあるはずです。共に触れ合い、交流する場がもっと増えれば、お年寄りのすばらしさに気づく人も増え、思いやりの気持ちや心遣いも生まれてくるのだと思います。

県内でも高齢者の割合は年々高まる一方です。人は誰でも年月と共に年老いていくのです。培ってきた経験や知恵が、次の世代の人たちに生かされ、互いに敬意をもって相手に接するきっかけになればすばらしいと思います。世代を超えた触れ合いの場がもっと広がり、お年寄りからさまざまなことを学びながら、さらに、お年寄りを大切にしようとする気持ちが人々の心に育つことを僕は期待したいと思います。